ほころび
Kazutoshi Sakurai
ほころんだ場所がこの胸にある
悲しみを跨いだ時 出来たのかな?
ほつれた糸を無意識で引っ張る
するりするりとほどけていった
ほころびはまた広がって
何かが顔を出した
そこにいたのは君だった
笑ってる君
水玉模様のスカートが揺れる
晴れた日の公園 よく覚えてる
キンモクセイが植わった木陰を見つけて
ビールなんか飲んで 手だけつないで
広い芝生に横になって 青い空を見ていた
気持ちがよくて ウトウトして まぶた閉じた
君の匂いが好きだった 甘い匂いがした
夢から覚めると独りぼっち
君はもういない
寝転がってる君はいない