ライクアバーズアイ

安田貴広

どうしても忘れられない思い出の歌を口ずさんで
残された僕は目の前の運命を
ただただ恐れてうずくまる

渡り鳥のように
迷いもせずに
全てを見渡せたならよかったけれど
この両足は意外と嫌いじゃないから
世界が流す涙の中
空を見上げた

窮屈な世界だと感じるのはなぜだろう?わからないよ
でもおそらくきっと今までの経験上
悪いのは世界じゃない気がしてる

君が泣いてたのは
笑ってたのは
全てを見渡せなかったからじゃないね
その足で歩いて目の前の運命と
同じ高さで見つめ合って
戦ってたんだろう?

あぁ今なら分かるかな
僕らが追い詰められていく理由が
君が唄っていたあの歌がほら
まだ聴こえている

渡り鳥のように
迷いもせずに
全てを見渡せたならよかったけれど
翼なんて無いから
でもそれでいいよって
虚勢を張っている
笑われている
僕が流す涙もまた
大地に吸い込んで
世界になっていく

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