遮断機の向こう
新司 谷村
いつかこの駅から遠い旅に出よう
いつかそんな日が必ずやってくる
同じ制服でも僕は僕でいたい
ひとり遮断機を乗り越える時がくる
ある日通学路でみつけたポスターが
ふいに語りかけて
きた君の夢は何だ?
その日の為に君は 今
何かをしつづけているかい?
走り出さなきゃ風は起こせない
夢にも近づけない
僕は決めたんだ 夢に水をやる
いつか花ひらく 僕の夢に水をやる
春は桜の駅 夏は雲が流れ
コオロギの声が雪に変わり時がゆく
卒業式の朝 上がる遮断機の
影が青空に
とけ込んで消えてみえた
あの日通学路でみつけたポスターも
雨にさらされ破れて
色腿せてみえた
この日の僕を見てほしい
制服をこれから脱いで
走り出すんだ自分の足で
僕が今風になる
明日この駅から 僕は旅に出る
古い遮断機を春の風が越えてゆく
古い遮断機の
向うに海をみつけた‥‥。