半空
新司 谷村
旅の重さだけに君だけは負けないで
朝を待ち続ける
野に咲く花に負けないで
うつむかないで目を伏せないで
空を見上げていて
暗い夜空に星を数えて
みんな歩いてきた
明日巡り会う人のやさしさに
触れる喜びを胸に抱きしめて
旅を想う時人はもう旅人
名前もない駅に始発を待つ旅人
旅の重さだけに君だけは負けないで
朝を待ち続ける
野に咲く花に負けないで
失くした夢のかけらを集め
両手であたためて
まだ人生の半空にいる
いつも半空にいる
明日巡り会う人のやさしさに
触れる喜びを胸に抱きしめて
旅は語らずにそれを教えてる
荒野に咲く花もまた命の旅人
後ろ振り返る時はやがて来る
せめてその日まで
明日を見つめていて
旅に倒れても人はまだ旅人
心は半空をさすらう ああ旅人