人・生・不・思・議
登紀子 加藤
人生 不思議なものだね
それでも なぜか いとしくて
人生 おかしなものだね
それでも なぜか 美しい
夜明けのすきまにうずくまる
ひとりの扉
星の住む窓をくもらせる
白いため息
同じ場所で同じ夢を
求め合った あの日ふたり
見つめ合って 見失って
かわいた心にふるえた
人生 不思議なものだね
それでも なぜか いとしくて
人生 おかしなものだね
それでも なぜか 美しい
広すぎるシーツ
こぼれてく せつない名前
まだ素肌に残る指先 たわむれの影
やり場のない さびしい胸
いつか強がりが あふれて
微笑むよりふれあうより
憎む気持ちに追いつめた
人生 不思議なものだね
愛するものを 傷つけて
人生 おかしなものだね
ほんとの愛に 気づくのさ
ほかに何もいらないよ
かわらぬ愛を信じてる
はるかな河を渡れるなら
時の流れを戻りたい
人生 不思議なものだね
それでも なぜか いとしくて
人生 おかしなものだね
それでも なぜか 美しい