私の瞳は黒い色
Yuki, Kazuto Narumi
私の瞳は黒い色
くせっ毛で まとまらない髪質は悩み
雨の日曜日 出掛けるのも億劫
ヘアーアイロンで撫でつけてみる
電話だと声色が一段と高くなる
怒っている時ほど やけに丁寧に話す
嫌だと思っていたところばかり
似てくるのだから 皮肉で可笑しい
12月のお決まりの大掃除
冷えた指先を 頬につけ合い 笑った
私が小さいままなら
小さな ただの家族でいられた
あなたと あなたがくれた
黒い瞳は 大人になった
電車の窓から白い雲
聴こえる 懐かしい夕方 5時のメロディ
疲れた身体よ まだ動いてくれ
言いきかせるように 揺られる人波
歯痒さも 奥ゆかしさも 全て
幸せを祈り 願いを超える名前
今以上 欲しい物など
何も無いと言えば大袈裟だけど
もう一度 会えるのなら
素直に ありがとう 言えるのに
あなたは あなたでいいと
ノートの落書きさえ褒めてくれた
私は 私のまま
今日もくせっ毛を 直している
私が小さいままなら
小さな ただの家族でいられた (家族でいられた)
あなたと あなたがくれた
黒い瞳は 黒いまま