江の島シーキャンドル
前田亘輝
いけない恋だと わかってても
波間に咲く 月の様に揺れて
その肩その指 触れ合う頬
稲妻みたい
引き裂かれそうな気持ち
愛なんて遠い夏に
捨ててきたはずだったよ
人影も見えない砂浜
十二月の江の島の灯り
人恋シーキャンドル
帰れない二人の吐息(ためいき)が
重なり合う 消えそうな願い
キスしたとたんに 泣き出すから
あわてたのは ごめんね俺のほうさ
愛なんていらないわと
唇で作り笑い
そんな目で見つめちゃダメだよ
愛なんて遠い夏に
置いてきたはずだったよ
明日さえ見えない砂浜
十二色の江の島の灯り
人恋シーキャンドル
江の島シーキャンドル