声
MIYAMOTO
黒い革靴 洗晒のYシャツ
白い無精髭 どことなく寂しい
飾りのような杖をついて
小奇麗な身形少し
背中を丸め腰掛けてる
白髪の紳士 公園のベンチ
青い空を見上げ
遠くの世界を見てる
半ズボンの女の子が
青い空の光を遮った
老人の涙は溢れ女の子は
その瞳を見つめた
老人の涙は溢れ女の子は
その瞳を見つめた
ずっと顔を合わせていなかった
僕の家の前に
住む車椅子のお爺さんが
暖かい昼下がり
久し振りに外に出てた
「行ってきます」と言った
僕に皺くちゃな喉を指差し
手を横に振った
何回も御辞儀して僕を見送った
六丁目中響き渡る
暖かい声の持ち主だった
御爺さんは いつもの笑顔も
見せずただ僕に御辞儀をするんだ
御爺さんは いつもの笑顔も
見せられずただ僕に御辞儀をする
失い 得る 耐える
忘れ 先へ 進む ぶつかり 砕け
涙 流す 笑う 燥ぐ 踊る
壊れ先へ 先へ
失い 得る 耐える
忘れ 先へ 進む ぶつかり 砕け
涙 流す 笑う 燥ぐ 踊る
壊れ先へ 先へ
失い 得る 耐える
忘れ 先へ 進む ぶつかり 砕け
涙 流す 笑う 燥ぐ 踊る
壊れ先へ 先へ
失い 得る 耐える
忘れ 先へ 進む ぶつかり 砕け
涙 流す 笑う 燥ぐ 踊る
壊れ先へ 先へ
声 やさしい 声 暖かい
声 やさしい 声