Sugar rain
斎藤モトキ
長い針は突き通し煙を吐き
紙を破くみたいに炸裂する音
吐く息にも変化が表れたら
膝の丈に及んだアウターを着込んでる
素敵だねって言われると
祝福に溢れ
呼吸は止まりそうだと
思春期を拗らせている
さめざめ泣くなよ きみには今にも
歌うようなリズム合わせて
ひとりで揺らいで テーマを奏でて
街中の幸せを 届けるんだ
その肩ふたつ密やか
毛羽立っている繊維に結びついた街灯
弾く幾億の輝きと同じ
劇的なんて喧伝が
チープを彩った
等身大が好きですそういうのも
飽きてきたでしょう
ばらばら跳ねてる 雫の行き先
目で追うつもりもないけど
夢だって言われて 理屈が壊れて
広がるかたちはきみを見つけたんだ
靴の中はポタージュさ
雨はかき消す私語を霞ませ
ほんの余裕さえも奪っていく
さめざめ泣くなよ きみには今にも
歌うようなリズム合わせて
ひとりで揺らいで テーマを奏でて
街中の幸せを 届けるんだ
その肩ふたつ密やか