渇き
鳥が飛び立ったのを
合図にして君は立ち上がった
家に帰ると
言う君の手
掴んでしまった
君は泣いていたんだ
考えるふりをしながら
月並みな答えを吐いては
自分がわからなくなって
先を間違う
渇く前の僕は
きっと間違わないはずと
だけど渇いた後僕は
今更後悔したんだ
怖くなる前に気持ちを
抑えて笑ってみたけど
君が切なさを纏って
走り去って行くのを見て立ち尽くした
汲み上げた水がこぼれ落ちてくのを
ぼんやり見てた
君の温度も流れ落ちては
渇いてしまう
そんなことを考えて
甘えを押し付け合っては
色めいた記憶を想う
簡単に僕らは
色を失ってくのさ
渇く前の僕は
きっと間違わないはずと
だけど渇いた後僕は
今更後悔したんだ
怖くなる前に気持ちを
抑えて笑ってみたけど
君が切なさを纏って
走り去って行くのを見て立ち尽くした
鳥は歌った
鮮やかな声で
喉が擦り切れるくらい叫んだ
鳥は歌った
艶やかな声で
「飛び立つ前にわかってた」
渇く前の僕は
きっと間違わないはずと
だけど渇いた後僕は
今更後悔したんだ
くるり向きを変えた君の
顔が霞んで見えたんだ
少し疲れてるみたいだ
あと涙も止まらないんだ