No name yet
Saori Kodama, Hiroshi Sasaki
微睡む君の午後に そよぐ淡色の風
羨ましげに僕は 気配をひそめ
名もなき花さえ 等しく彩る
一枚絵の中で
ああ今だけ そう今だけは 同じ風に吹かれて
決して咲かない蕾だと 何故か思い込んでは
何度も冬を越そうと 先回りしていた
臆病な
心の
ほころびを
そっとなぞる
君と目があうたびに どこか距離を探した
落ち着かない鼓動で
嘯きながら
誰かに聞いたような
珍しくもない
戸惑いだとしても
ああ君だけ そう君だけが そっと熱を落として
春を待つ蕾だと 気づいてくれたんだね
ゆっくりほどいていく 目覚め出す季節に
はじめて咲かせる喜びを
名付けるなら
ぎこちない
足取りで
踏み出した
(A-ah)
陽だまりで
少し不思議そうに首をかしげて笑うから
(Awakening flower)
まるで僕のほうが夢の中にいたみたいだ
ああ君だけ そう君だけが そっと熱を落として
春を待つ蕾だと 気づいてくれたんだね
ゆっくりほどいていく 目覚め出す季節に
はじめて咲かせる喜びを
名付けるなら
名付けるなら
きっとこれは
多分これは
No name yet