AM
aoki yoshi nori
滋養強壮の速度で
君は今日も家を出る
マッチを擦った時のような
匂いはもうない
ハンガリーからの帰国子女
ICUは遠くて
駅の階段を降りていた
後ろを振り向く
陶器で出来た狸が
人間を見てる
君が前を通る時
君のこと見てる
雨上がりのAMさえ
君のことを嫌いじゃないよ
その日暮らしではない
でも現実を生きてない
美大に行ってる子みたいな
個性はそれほど無いけど
あると言えば 彼とよく行く
お城みたいなホテル
夜が過ぎて朝が来るけど
その前に誰かが来て
窓をうっすら開けていくの
「未練はもう無い?」
陶器で出来た狸が
将来を見てる
彼が前を通る時
君のこと見てる
水たまりに空が映る
どこかに飛んで行けそうだけど
きっと昨日は来ない
でもまだ夢から醒めてない
陶器で出来た狸が
人間を見てる
君が前を通る時
君のこと見てる
雨上がりのAMさえ
君のことを嫌いじゃないよ
その日暮しではない
でも現実を生きてない