イメージの詩
これこそはと信じれるものが
この世にあるだろうか
信じるものがあったとしても
信じない素振り
悲しい涙を流している人は
きれいなものでしょうね
涙をこらえて笑っている人は
きれいなものでしょうね
男はどうして女を求めて
さまよっているんだろう
女はどうして男を求めて
着飾っているんだろう
いいかげんなやつらと口をあわせて
俺は歩いていたい
いいかげんなやつらも口をあわせて
俺と歩くだろう
たたかい続ける人の心を
誰もがわかっているなら
たたかい続ける人の心は
あんなには 燃えはしないだろう
傷つけあうのがこわかった昔は
遠い遠い過去のこと
人には人を
傷つける力がきっとあったんだろう
吹きぬける風のような
俺の住む世界へ
一度はおいでよ
荒れ果てた大地に
チッポケな花をひとつ
咲かせておこう
俺もきっと君のいる
太陽のあるところへ
行ってみるよ
そして きっと言うだろう
来てみて良かったなと 良かったな
君がいるから
古い船には新しい水夫が
きっと乗り込んで行くだろう
古い船をいま 動かせるのは
古い水夫じゃないだろう
なぜなら古い船も
新しい船のように
新しい海へ出る
古い水夫は知ってしまったのさ
新しい海のこわさを
長い長い坂を登って
うしろを見てごらん
ほら誰もいないだろう
長い長い坂を下って
うしろを見てごらん
皆が上で 手を振るさ
きどったしぐさがしたかったあんた
ほら鏡を見てごらん
きどったあんたが
映ってるじゃないか
あんたは立派な人さ
いったい
俺達の魂のふるさとってのは
どこにあるんだろう
自然に帰れっていうことは
どういうことなんだろう
誰かが言ってたぜ
俺は人間として
自然に生きてるんだと
自然に生きてるって
わかるなんて
何て不自然な事なんだろう
悲しい男と 悲しい女の
いつものひとりごと
それでも いつかは
またいつものように
慰めあっている