夕刻、夢ト見紛ウ
ほのめく影が揺れる
いつから見惚れただろう
さよならしよう お別れしよう
キミが振り向くその前に
予報通りの雨は
萌木を濡らしていく
どこかへ行こう 四月の零す
ため息に乗せて 遠くまで
ひとつ春を違えた時には
きっとすれ違う明日だった
あれもこれも面映い日々だった
この世の愛しく平等な
時間が来たみたいだ
桜 (桜) ふたりの夜を埋めた微睡みでした
巡り合う想い 来し方行く末
集い ひとひら ふたひら彩る
それは (それは) 夢と見紛うほどの悪戯でした
やがて夜が来る前に 伝えなくちゃ
手繰り 結いた息吹
残された時なんて
幾許もない それでも怖い
根を張る心が歯がゆいなあ
今日日ありふれた暇乞い
おしなべて購う様に
暗れ惑うほど弱くはないさ
この世は等しく単純な
咲けば散る花のように
それは (それは) 今際の際を越えた指切りでした
ゆくりなくも 夢のような時を辿る
心残りだって ないわけないけど
揺蕩う闇夜に宙を舞う
ありがとう ありがとう
あの頃よりも 前を向けたよ
桜 (桜) キミと出会えたことが幸せでした
巡り合う想い 来し方行く末
集い ひとひら ふたひら彩る
君と辿る月夜を拒むほどの遣らずの雨
それは夢と見紛うような
それは恋と見紛うような時でした