シンクロ
Motohiro Hata
立ち止まる君の影
大きな雲の影に飲みこまれた
かくれた陽が また覗くまで
君は歩き出せないでいる
差し出した僕の手を
ためらいがちに見つめている
君の指が触れるまで
僕もただ立ち尽くしていた
僕ら手をつないだ もう見失わないように
置き去りの 街の中で ひとつ確かなもの
この手のぬくもりだけで 僕ら 歩き出せるんだよ
踏み出した足元に
夕立がその始まりを落とした
今 雫 はねのけるように
景色まで熱を帯び始めたんだ
僕ら手をつないで 雨の中を駆け出すよ
加速する街の中で まだ見えないものも
互いが目に映るなら 僕ら映し出せるはず
君のその胸の鼓動と 僕の胸のざわめきが
響いて 響き合って 同じように震えあって
まるで同じもののように シンクロするよ
僕ら手をつないで 雨の中を駆け出すよ
降り注ぐ冷たさも もう怖くはないんだよ
僕ら重なり合うから 二人で さぁ行こうよ