May
Motohiro Hata
空を遮るビルもない 東京から数時間
吸い込む 懐かしい匂い
とある5月の日曜日 連休にかこつけて
ふたりで 足を伸ばしたんだ 君が生まれた町まで
大事な人の大事な場所
どっか くすぐったいような風
そっと 君が先を歩く
遠く息づく稜線の声が ほら おかえりと囁いてる
東西に走る県道沿い もうすぐ君の家
橋の向こう 見えた青い屋根
ゆるやかに雲は流れる のんきな誰かによく似てる
どんな風に ここで 君は育ってきたんだろう
大切だから 気になるの
僕と出会うまでの君のこと
ギュッと 締め付けられる胸
いつか泣いてた少女は 今 僕の隣で微笑んでいる
たったひとり 町を離れ
ずっと がんばってきた君が
もっと 愛しく思えたよ
大事な人の大事な場所
僕にとっても特別だよ
そっと ふたり並んで歩く
君の弾んだチャイムの音が ほら ただいまと響いている