放浪春秋
潔 松尾
ふたりではじめて旅した街へと
忘れてきたものを確かめたくて
たどり着いた春の日
あやふやな記憶のまま
夜さまよえば
いたずらにふたりが書いた
誓いの言葉たち 壁に残る
あなたを愛してた
奪い去りたかった
あの頃はまだ若すぎたね
思いのやり場見つけられずに
あなたを忘れよう
今を生きるために
こみあげてくる熱い何か
心に嘘はつけない
ふたりがはじめて暮らした街では
若い僕が体中熱くした
証ひろう秋の日
川べりの道をひとり 歩いてみれば
あの頃のふたりに似てる
痩せた仔犬二匹じゃれあっていた
あなたがいるだけで
空飛べる気がした
いくつかの恋重ねたけど
あんなに誰か愛せやしない
あなたを忘れよう 痛みも喜びも
涙だけでは流せないよ
心は季節(とき)をさまよう
あなたを愛しても奪い去れなかった
あの頃はもう遠い昔
想い出はただ美しすぎて
あなたを忘れよう
ああ あなたを忘れよう
こみあげてくる熱い何か
心に嘘はつけない
心は季節(とき)をさまよう
ああ あなたを忘れよう
ああ あなたを忘れよう...