箱根八里の半次郎
Hideo Mizumori, Yurio Matsui
廻し合羽も 三年がらす
意地の縞目も ほつれがち
夕陽背にして 薄を噛めば
湯の香しみじみ 里ごころ
やだねったら やだね
やだねったら やだね
箱根八里の 半次郎
寄木細工よ 色恋沙汰は
つぼを外せば くいちがう
宿場むすめと 一本刀
情けからめば 錆がつく
やだねったら やだね
やだねったら やだね
まして半端な 三度笠
杉の木立を 三尺よけて
生まれ在所を しのび笠
おっ母すまねぇ
顔さえ出せぬ
積る不幸は 倍返し
やだねったら やだね
やだねったら やだね
箱根八里の 半次郎