あのひとこのひと
クロの雲間にのぞきこむひかり
水たまり生まれて
夕立ち去ってゆくころ
空気と憂い一緒にさらう
ざらざらの底を
ふきとり包んで
そっと、水に流す
今、あなた恋しい
だからこのからだは
こんなにもやさしく
なれるのでしょう
今、夏風さらり
育つ葉をゆらして
この身も ほら ゆらり
わたし、切ない
風をあつめた この長い髪が
かたく結ばれて
昔の二人みたいに
そう 簡単にはほどけなくて...
しぼむ向日葵の
輪郭なぞれば
まだ笑ってくれる
今 秋風するり
愛をささやく声
聴こえないふりして
も一度せがむ
こおりのような恋
もう二度としないと
だからやさしい声に
ひかれたのかな
今、春風ふわり
裾もひらり踊る
ちくちくしたトゲが
春雨に舞う
また夏の日じわりすぐそこに近づく
こんな日あの人を
思いだすでしょう
指先からほろり
1つ 恋のしらべ
こぼれて終わるころ
あなた恋しい