桜通り
中村伊織
ループする日々の鬱憤って
どうしてたかも思い出せないくらい
少しの余裕もないんだ
花びらが散る沈む先に居る
誰の隣も歩けない私は
少しのことも許せないまま
春が好きだとあなたは言った
私はそうでもないと思った
優しくない人には優しくできない
それがわがままだと言うのなら
私はあなたと散歩はできない
ワープする部屋の寂しさって
どうしてたかも思い出せないくらい
過去の余裕に憧れる
花びらが散る浮かぶ先に居る
私の隣を歩くあなたは
あとどれくらい許してくれるんだろう
春が好きだとあなたは言った
私はそうでもないと思った
優しさをくれる手はここにあるのに
ひねくれた心が加速するどうしても
私はあなたを見失いたくない
これから何度も
春が来て巡りゆく
気持ちを味わう
私はもう泣かないよ
春が好きだとあなたは言った
私はその目に映る春を見たい