あの頃の
智沙 田辺
子供の頃に描いてた
夢はまぶしく輝いてた
今自分がつかんだ夢は
ちょっと輝きが違ってた
毎日違った楽しみが
たくさん生まれゆくけど
あぁ 育ててきたものを
少しずつ失ってゆく
僕が昔描いてた
大人になった時の自分は
大きくなった今でも
心の隅に往んでいて
汚れた大人になりそうな時だけ
問いかけにきてくれる
子供の頃に憧れた
二十歳はすごく素敵で
でも 本当は二十歳は
そんなにキレイなものじゃなく
始めることの大切さを
気付かぬふりしていつも
諦めることの楽さだけを
嫌なくらい覚えてゆく
僕が昔持っていた
瞳の奥で光る真実は
大きくなった今では
すぐには見つけられなくて
汚れた笑顔になりそうな時だけ
知らせにきてくれる
僕は今でもずっと
あの頃の未来を探してるのに
「夢」はいつまでたっても
「夢」でしかいてくれなくて
このままじゃだめだと思いながらも
また 一日を終える