フィヨルドの少女
Eiichi Ootaki, Takashi Matsumoto
氷河がきらめいている
夜明けの色をちりばめて
童話のような街に
訪ねて来たのにすれ違い
三日も前に 雪の汽車で消えたのさ
うわさの糸が切れて
行方を知っている人もない
あの娘は友だちさえ
作らないよと誰か言う
あの娘を人嫌いに
させたあやまちはぼくにある
昔のままの 黒いコート着てるのか
子供の雪つぶてが
薄いガラス窓こわしたよ
三日も前に 雪の汽車で消えたのさ
南へ向ったのか
それとももっと遠い北の街
吹雪が急に止んで
遠い岬まで晴れてゆく
心にささった氷の破片が溶けてゆく