真夜中のダンディー
暗い女の部屋でマヌケな肌をさらし
おぼえ始めの味でうなじを真っ赤に染めて
世慣れたウソもつけない頃は
色気の中で我を忘れてた
中途半端な義理で親父のために学び
他人の顔色だけを窺い拍手をあびて
泣かない事を誓った日々は
無邪気に笑う事も忘れてた
真夜中のダンディー ダンディー
俺は生きている
悲しみのダンディー ダンディー
汚れた瞳の brother
このホホを濡らすのは 嗚呼 雨だった
友は政治と酒におぼれて声を枯らし
俺はしがらみ抱いてあこぎな搾取の中に
生まれたことを口惜んだ時にゃ
背広の中に金銭があふれてた
真夜中のダンディー ダンディー
風が吹いている
悲しみのダンディー ダンディー
同じ顔の brother
追い風に煽られて 嗚呼 逃げてゆく
愛と平和を歌う世代がくれたものは
身を守るのと 知らぬそぶりと 悪魔の魂
隣の空は灰色なのに
幸せならば顔をそむけてる
夢も希望も現在は格子の窓の外に
長い旅路の果てに魅惑の明日は来ない
可愛い妻は身ごもりながら
可憐な過去をきっと憂いてる
真夜中のダンディー ダンディー
誰が待っている
悲しみのダンディー ダンディー
過去にすがる brother
降り注ぐ太陽が 嗚呼 影を呼ぶ
愛しさを知る程に 嗚呼 老いてゆく
またひとつ消えたのは 嗚呼 愛だった