遠い昔
千里 森高
小さな団地だった 窓を開けると
遠くに青い海が見えた
高台のその団地で私は生れた
ふもとには造船場がたくさん
あったわ
急な坂道がずっと続いてた
今でもあの頃思いだすわ
海を見てると
あなたにこんな話 初めてしたね
あれから何年経ったかな
造船場で働いてた父がやめて
私達団地を出て京都に越したの
中学2年の春休みだった
とても悲しくて
すごく泣いたあの時私
遠い昔のことよ 今は思い出
本当に遠い昔のこと
今はあなたがいるわ 大切な人
本当に今とても幸せ
帰りたいけれどもうあの団地は
取り壊されたの
何にもない小さな窓も
遠い昔のことよ 今は思い出
本当に遠い昔のこと
小さな団地だった 窓を開けると
遠くに青い海が見えた
遠い遠い昔のこと