大樹の影
戦場に咲く一輪の笑顔の様にささやかに
日々の喜びを抱きしめられたなら
それを幸せと呼ぶのだろう
思い描いたヒーローはいつも淀み無く
降り注ぐ不幸せを笑い飛ばして
誰もいない路地裏で涙を堪えては
孤独という弱さを振り払う
大河のように洋々と流れる情熱が
足かせになるものを飲み込んでしまう
でもそれで良かった一歩でも進めるのなら
それを奢りと呼ぶならそれでも構わない
流れる時が人を変えるというが
流されていく事と歩み続ける事は違うのさ
戦場に咲く一輪の笑顔の様にささやかに
日々の喜びを抱きしめられたなら
それを幸せと呼ぶのだろう
強く信じてきた物が大きな幹となり
分かち合った友たちに枝葉が伸びてゆく
そして互いに支え合う生い茂る森となり
家族という絆に育っていく
今ここに有る幸せに 涙を流しても
この道の先同じ様に 感じられるだろうか
哀しいけれど 人の欲望は逃げ水の様に
追いかけた分だけ 遠ざかっていく
つまずいて 心折れそうになって 自分の弱さ確かめて
また誰かに優しくなれるのさ
戦場に咲く一輪の笑顔の様にささやかに
日々の喜びを抱きしめられたなら
それを幸せと呼ぶのだろう
思い描いたヒーローはあの日の様に淀み無く
分かち合った友たちと日々を夢見ては明日という未来に歩き出す