恋する日
山本加津彦
ある 秋の夕暮れに
いつもの道 歩いていた
今までの世界には
無かった気持ちが生まれていた
コスモスの淡い香りが
どこまでも纏っていた 今
恋する日 時が止まり
今までの日々が終わり
息をして 空を眺めただけ
世界は あなたがいるだけで
奇麗な色でした
気づけば 日々は過ぎて
未来は 過去になるけど
失う記憶の中に あなただけ今も
ずっと生きている
懐かしい風の香りが
いつまでも僕を運ぶよ
恋した日 涙が落ちて
生きている意味を知ったんだ
色あせる 全てが 虚しくても
心に あなたがいただけで
虚ろ(うつろ)は埋まっていた
通り過ぎた風 あなたの香りがして
歩くのを止めて
立ち止まってしまったよ
こんな日々の中
埋もれてしまっていた
隠せないこの気持ちが
溢れ出してくる
恋する日 涙が落ちて
生きている意味を 知ったんだ
色あせる全てが 愛おしくて
何度も手を伸ばした
恋する日 時は動き
今までの日々が終わり
息をして 空を眺めただけ
世界は あなたがいるだけで
奇麗な色でした
世界は あなたがいるだけで
奇麗な場所でした