旅立ちの朝
hamada shougo
闇に光が斜めに差し込んできて
記憶出来ない夢を潜り抜けて
目覚めた朝は旅立ちにふさわしくて
土砂降りの暗い空 光る稲妻
胸の痛み 感じないように
機械的に荷作りして
ずぶ濡れのまま
タクシーに荷物積んで
長く暮らしたこの部屋
遂に出てゆく
コーヒー片手に窓の外を見ている
あの娘の姿 思い描く
でも その横には
彼女の新しいボーイフレンド
満たされて眠ってる あのベッドで
空港で訪ねる「次に飛び立つ
フライトの席はまだあるか?」と
どこでもいいさ
どこでも同じようなもの
彼女のいない国へと飛んで行くのさ
雲の上は青空 旅立ちの朝